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学理教育セミナー リセ

そんなのは数学ではありません。

ある私立高校の数学指導。

何度か経験してきていますが、先日依頼を受けて、某私立高校の数学の授業を見学しました。

難関国公立大学受験の数学指導はどのようにすればよいか、そのアドバイスが欲しいとのご要望で、忌憚のない意見が有難いとのことでした。

どのレベルで授業を行い、どのレベルの問題をどの程度の量で演習させればよいのか、それを知りたいということで、長年塾講師をしているというだけで、ずいぶんと買いかぶられたものです

実際の授業を見て、唖然としました。これはいかん、こんなことをしていたのでは生徒の数学力は上がらない、どのように評価すれば良いのか、忌憚のない意見を出せば気分を害されるだろうし・・・。

公式の紹介と解き方の紹介ショー。

多分、今現在の高校の90%以上がそうなのでしょうが、生徒に教科書に書いてある公式を紹介し、どんなにそれが重要であるかを強調し、ではきちんと覚えておきましょうで終わります。

次に代表的な練習問題を紹介し、公式に数値を当てはめてこうすれば答えを出せると繰り返します。後は練習量を増やすことで慣れの部分を作ろうとします

それだけのことが終われば、次のテーマに移っていきます。数学そのものと言える部分の説明が何もありません。

ですから私立大学レベル、中堅国公立大学レベルであれば合格できるかもしれませんが、東大、京大、阪大、と言うようなことになれば、遥か彼方という話になってしまいます。

数学の授業で必要なこと。

各分野で登場する定義の意味、何故そのように定義するのか、そうすることによって何の役に立つのか、それは必ず語らなければいけません。

定義から派生する諸定理、これを公式と呼んでいるわけですが、それは必ず一つ一つ定義に基づいて証明しなければいけません。ここが数学です

問題がありました。それに当てはまる公式はこれです。数値を当てはめてみましょう。ほら答えが出たでしょう。こんなのは数学ではありません。

何も考えることなく計算作業を行っているだけですから、どんなに数多く繰り返したところで思考力は高まりません。

今の学校の数学の授業では、経験したことのある問題しか解けなくなってしまいます。数学嫌いを大量生産する温床となっているようです。



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by lyceelycee | 2017-05-24 15:32 | リセ

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